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サイバー事件簿 | 情報の公開と脅迫

盗んだ情報を、公開して脅す

不正アクセスを受けた「お名前.com デスクトップクラウド」(File 04)で、10月27日に事態が一段進みました。攻撃者とみられる者が、利用者に関係するとみられる情報をインターネットに公開したのです。GMOは要求には応じないと表明し、総務省は通信事業者に、そのサイトへの接続を遮断するよう求めました。盗んだ情報を「人質」にする手口と、そのとき会社が迫られる判断を追います。

約5分で読めます 出典は記事末に記載

01

持ち出しから、公開へ

事件の概要

被害
「お名前.com デスクトップクラウド」の利用者(FX自動売買などに使うクラウドサーバー)
起きたこと
10月24日に顧客情報の持ち出しと金銭の要求を確認。27日に、攻撃者とみられる者による情報の公開を確認
会社の方針
要求には永久に応じない。警察などと連携。公開された情報へのアクセスや拡散を控えるよう呼びかけ
補償
全利用者に一律5,000円、不正な取引の損失は補償、情報が公開された利用者には区分ごとに1万〜2.5万円(上限300万円)
国の動き
総務省が10月27日付の文書で、通信事業者の4団体にブロッキングを要請(報道)
  1. 2026/10/21

    全サーバーを停止

    利用者の取引口座で、身に覚えのない取引が相次ぎました(File 04)。

  2. 2026/10/24

    顧客情報の持ち出しと、金銭の要求

    情報の公開をちらつかせた要求に、応じない方針を示しました。

  3. 2026/10/27

    攻撃者とみられる者が、情報を公開

    利用者に関係するとみられる情報の公開を確認。GMOは対応方針(第12報)を公表しました。

  4. 10/27付

    総務省が、通信事業者の団体に要請

    情報が公開されたサイトへの接続を遮断(ブロッキング)するよう、4つの業界団体に求めました。

  5. 2026/10/28

    懸賞金の受付を開始

    犯人の特定につながる情報を、総額100万米ドルを上限に募っています。攻撃者側のサイトは停止したと報じられています。

100万米ドル

GMOインターネットグループが創設した懸賞金の上限(約1億5,000万円)。犯人の特定・検挙につながる情報が対象です。

300万円

情報が公開された利用者への特別見舞金の上限(1公開あたり)。全利用者への一律5,000円とは別に払われます。

払うか、払わないか

盗んだ情報を「公開するぞ」と脅して金銭を求める手口は、ランサムウェアの事件でもよく使われます。GMOは、要求には永久に応じないと表明しました。理由として挙げたのは次の2つです。

払っても

  • 盗まれた情報が消される保証はない
  • 不正に使われない保証もない

払わないのは

  • 犯罪を助長しないという社会的な責任
  • 代わりに、利用者への補償と犯人の特定に力を注ぐ

出典:GMOインターネット(10月28日)

02

公開された情報を、見にいかない・広げない

GMOは、公開された情報と称するものにアクセスしたり、転載やリンクの共有で広げたりしないよう呼びかけ、悪質な拡散には法的措置の準備を進めているとしています。

総務省は、情報を悪用した二次被害が広がる現実的なおそれがあるとして、公開サイトへの接続の遮断を通信事業者に要請しました。国によるこうした要請は極めて異例と報じられ、通信の秘密との兼ね合いを疑問視する声も出ています。攻撃者側のサイトは、その後停止したと伝えられています。

03

人質にされる前に、できること

持ち出された情報は取り戻せません。脅しの材料を減らしておくことと、そのときに迷わない準備が、中小企業にもできる備えです。

脅しに備える4つ

  • 1持っていなくてよい情報を消す終わった取引の顧客情報や、退職者の情報。持っていなければ、脅しの材料になりません。
  • 2大事な情報は分けて、暗号化して置く1か所が破られても、すべてが一度に持ち出されないようにします。
  • 3要求が来たときの方針を、先に決める払わない方針、相談する警察や弁護士の連絡先、決める人を、事件の前に決めておきます。
  • 4顧客への連絡と、問い合わせの窓口を用意するお詫びの文面の型と、電話やフォームの窓口を、すぐ出せるようにしておきます。

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出典

※ 本記事は公表された情報と公的統計に基づく一般向けの解説です。攻撃の再現手順は扱いません。各社の最新の発表もあわせてご確認ください。

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