ホリエのサイバーポリス無料で診断する

サイバー事件簿 | 特集

PHPだけではない、9.2以上は今年も次々と

10月のPHPの緊急脆弱性は、首相が呼びかけるほどの騒ぎになりました。けれど深刻さを表すCVSSで9.2以上の脆弱性は、2026年に入ってからも次々と見つかり、その多くは実際に悪用されています。ニュースになったものだけを追っていると、見落とすものがあります。JPCERT/CCと米CISAの公表から、今年の主なものを並べました。

約5分で読めます 出典は記事末に記載

01

今年の「9.2以上」を並べてみる

事件の概要

対象
2026年に公表され、開発元などの付与元がCVSS 9.2以上とした主な脆弱性
件数
14件(同じ製品の同時公表はまとめて1行)
悪用
うち12件は、米CISAが「実際に悪用された脆弱性」の一覧に加えたもの
比べる線
PHPの2件(CVE-2026-109618/109619)は CVSS v4.0 で9.2
公表日・製品CVSS(9.0〜10.0)
10/21PHP(php2shell)比べるための基準。ここから右が「PHP以上」9.2v4.0
10/22Brotli(Node.jsなどに同梱)圧縮データの展開処理の不備(CVE-2026-111497)9.2v4.0悪用情報なし
10/04Ahsay AhsayCBS(バックアップ)外部からのコマンド実行(CVE-2026-105134)10.0v4.0悪用を確認
09/27NetScaler ADC / Gateway認証なしでのコマンド実行(2件)(CVE-2026-88771)9.5v4.0悪用を確認
09/22F5 BIG-IP APMメモリ処理の不備による乗っ取り(CVE-2026-94127)9.3v4.0悪用を確認
09/22Arista VeloCloud Orchestrator内部機能への外部からのアクセス(CVE-2026-93952)10.0v3.1悪用を確認
09/16Cisco ISEAPIの認証をすり抜ける(CVE-2026-76460)10.0v3.1悪用を確認
09/14Cisco Secure Email Gateway細工したメールで乗っ取り(CVE-2026-76461)9.8v3.1悪用を確認
09/10GitLab認証なしで任意のファイルを読める(CVE-2026-85706)10.0v3.1悪用を確認
08/10Metabase(BIツール)認証なしで管理者の権限を得る(CVE-2026-72898)10.0v4.0悪用を確認
07/30Ruby on Rails(Active Storage)細工したアップロードでの乗っ取り(CVE-2026-66066)9.5v4.0攻撃コード公開
06/08Check Point(リモートアクセスVPN)認証をすり抜ける(CVE-2026-50751)9.3v3.1悪用を確認
05/14Cisco Catalyst SD-WAN認証をすり抜ける(CVE-2026-20182)10.0v3.1悪用を確認
03/23NetScaler(SAML構成時)メモリの読み出し過ぎ(CVE-2026-3055)9.3v4.0悪用を確認
01/29Ivanti EPMM認証なしでのコード実行(2件)(CVE-2026-1281)9.8v3.1悪用を確認

PHPの9.2点数は開発元などの付与元の値「悪用を確認」=CISAの悪用済み一覧に掲載

出典:CISA KEV・JPCERT/CC・NVD・各開発元の公表

02

話題にならなくても、悪用は進んでいる

表の多くは、PHPほど大きく報じられてはいません。それでも14件のうち12件は、すでに攻撃に使われたことが確認されています。悪用が確認された脆弱性の数そのものも、増え続けています。

272件

2026年に、米CISAの「実際に悪用された脆弱性」の一覧に加えられた数(10月23日時点)。

100件

そのうち7〜9月の3か月だけで加えられた数。前の3か月の75件から増えています。

セキュリティ専門メディアSecurityOnlineの集計では、7〜9月に加えられた100件のうち49件がCVSS 9.0以上でした。

出典:CISA KEV(件数)・SecurityOnline(9.0以上の割合)

03

並べると見えてくる、狙われる場所

表に並んだ製品の多くは、インターネットとの境目に置く機器や仕組みです。VPN、社外からの入口をまとめる装置、メールの関所、ログインの管理、社内向けのツール。外から届くからこそ、弱点が見つかると一気に狙われます。

中小企業でも、VPNやメール、業務用のツールは使っています。大事なのは点数の高さを追いかけることではなく、自分の会社で動いているかどうかを先に知っておくことです。

点数より先に、確かめる4つ

  • 1自社で使っている製品を一覧にサイト、VPN、メール、業務システム、外部サービス。名前と版を書き出しておくと、ニュースを見たときすぐ判断できます。
  • 2「悪用されている」ものを最優先にJPCERT/CCの注意喚起や、CISAの悪用済み一覧に載ったものは、点数にかかわらず先に対応します。
  • 3ネットに面した機器から更新するVPNや入口の装置は、修正版が出たらすぐに。メーカーのお知らせを受け取れるようにします。
  • 4外から見える版を把握する攻撃者が最初に見るのは、外から分かるソフトの版です。同じものを先に見ておきます。

点数より先に、自社で何が動いているかを知る

ドメインを入力するだけで、外から見えるソフトの版と、公開済みの脆弱性を無料で照合します。

出典

※ 本記事は公表された情報と公的統計に基づく一般向けの解説です。攻撃の再現手順は扱いません。各社の最新の発表もあわせてご確認ください。

© ホリエのサイバーポリスBACK TO TOP