01
2つの配信サービスが、続けて破られた
事件の概要
- 被害
- メール配信サービス「Cuenote FC」(ユミルリンク)と「アララ メッセージ」(アララ)
- 発覚・公表
- Cuenote FC:10月16日に確認、19日に第一報、26日に第二報。アララ:10月28日に確認・公表、29日に詳細を公表
- 規模
- Cuenote FC:49システム・延べ51,628,280件(調査中のシステムあり)。アララ:メールアドレス約301万件
- 原因
- Cuenote FC:ライブラリの脆弱性を突かれ、サポート担当者の認証情報を取られた。アララ:Webサーバーの脆弱性を第三者に悪用された
- 対応
- サーバーの切り離し、脆弱性の修正、ログイン画面とAPIへの接続元の制限(Cuenote FC)、配信の停止(アララ)
- 2026/10/16
ユミルリンクが不正アクセスを確認
ライブラリの脆弱性を突かれ、サポート担当者の認証情報を取られていました。同じ日の夜に脆弱性を修正しています。
- 2026/10/19
第一報は「5システム・約900万件」
警視庁と個人情報保護委員会に報告し、公表しました。
- 2026/10/26
第二報で49システム・延べ約5,163万件に
件数を調べている途中のシステムが、まだ16あるとしています。
- 10/27〜30
利用していた企業の公表が続く
ソースネクスト、毎日新聞社、H2Oグループ、朝日新聞社、ライフカードなどが、自社の顧客の情報が含まれていたと公表しました。
- 2026/10/28
別の配信サービス「アララ メッセージ」にも不正アクセス
アララが不正アクセスを確認し、サーバーをネットワークから切り離して配信を止めました。
- 2026/10/29
アララは約301万件の持ち出しを公表
原因は「Webサーバーの脆弱性を第三者に悪用された」としています。再開の時期は未定です。
5162.8万件
301万件
配信サービスに預けているもの
メルマガを送るには、送り先の名簿を配信サービスに預けます。ユミルリンクは、持ち出しの対象を次の4つに分けて説明しています。メールアドレスだけ、ではありません。
出典:ユミルリンク(第二報)
アドレス帳にどんな項目が入っていたかは、利用していた会社ごとに違います。誕生日を入れていた会社もあれば、メールアドレスだけの会社もあります。何を預けていたかが、そのまま被害の大きさになりました。
02
漏れたあとに来るのは、なりすましメール
- 名簿が持ち出されるどの会社の顧客かが分かる
- その会社を名のるメールお詫びや確認を装う
- 偽サイトへ誘導ログイン情報やカード番号を入力させる
実際にユミルリンクは、同社などをかたる「ご利用確認のお願い」といった件名のなりすましメールを確認したと公表しています。漏れた名簿には「この人はこの会社の顧客」という情報が付いているため、もっともらしいメールが作れてしまいます。
03
メルマガを送っている会社へ
メルマガやお知らせメールは、中小企業でも配信サービスを使うのがふつうです。配信サービスが破られることを止める手立ては、利用者の側にはほとんどありません。できるのは、預けるものを減らすことと、漏れたあとの被害を小さくすることです。
名簿を預けている会社の4つ
- 1配信に使わない項目を預けない誕生日や住所などを、メールを送るためだけのアドレス帳に入れていないか見直します。
- 2退会した人・止めた人のアドレスを消す何年も前の名簿が残っていると、そのぶん被害が広がります。
- 3管理画面のパスワードを変え、2段階認証をユミルリンクも、パスワードの変更と、使い回していた他のサービスでの変更を呼びかけています。
- 4なりすましへの注意を、先に顧客へ伝える自社がメールで何を聞かないか(パスワードやカード番号など)を、日ごろからサイトに書いておきます。
自社の名前をかたるメール、防げる設定になっていますか
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出典
- ユミルリンク「当社システムへの不正なアクセスに関するご報告(第二報)」(2026年10月26日)
- アララ「当社が提供する「アララメッセ-ジ」への不正アクセスによる情報流出およびサービス停止について」(2026年10月29日)
- アララ「弊社メール配信サービス停止および個人情報流出に関するお詫びとご報告」(2026年10月28日)
- アララ「PHPの脆弱性対応に伴う緊急メンテナンスのお知らせ」(2026年10月22日)
- ソースネクスト「メール配信サービス「Cuenote FC」への不正アクセスによるお客様情報流出の可能性に関するお詫びとお知らせ」(2026年10月27日)
- サイバーセキュリティ.com「ライフカード、委託先への不正アクセスで顧客情報33万9,610契約分が漏えいの可能性」(2026年10月30日)
- 日本経済新聞「【企業一覧】個人情報の漏洩・恐れを公表した企業など 随時更新」
- 日本経済新聞「メール配信のアララ、メールアドレス301万件漏洩 不正アクセスで」(2026年10月29日)
※ 本記事は公表された情報と公的統計に基づく一般向けの解説です。攻撃の再現手順は扱いません。各社の最新の発表もあわせてご確認ください。
